18歳選挙権を考える。1. 当の学生はなにを考えているのか

2015年7月26日

2015年6月17日、選挙権を得ることのできる年齢が18歳以上まで引き下げられる改正公職選挙法が可決・成立し、来年夏の参院選から施行されるというニュースが1ヶ月と少し前にありました。

この改正で18歳及び19歳の学生や社会人約240万人が新たに有権者となることになります。

それを受けて我々生徒会室では本改正案のターゲットとなる高校生200名を対象に、彼らが今18歳選挙権について何を考えているのかについて調べてみました。

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そもそも選挙権年齢の引き下げについて知っていたのか

そもそものところ、このニュース自体どれくらいの高校生が認識をしていたのでしょうか。

連日報道番組や新聞などでも話題になり、校長先生のお話で取り上げられた学校もあると聞きます。

そんな中、高校生の認識率は以下のとおりでした。

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知っていたと回答した人が約7割、知らないと回答した人が約3割という結果になりました。

2010年と少し古いデータとなりますが、ベネッセが調査した高校生における新聞を読む割合は男性で4割、女性で3割ということで活字離れが騒がれる中、6割強と妥当な数字なのではないでしょうか。

選挙権が18歳以上まで引き下げられることについての印象

次に、選挙権が18歳以上にまで引き下げられることについて聞いてみたところ、次のような結果となりました。

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とても良い、良いが53%、悪い、とても悪いが26%という結果になりました。

18歳以上となり選挙権を与えられた場合に、投票へ行くのか

それを踏まえ、仮に18歳以上となり選挙権を得た場合において、投票へ行くのかどうかについて聞いてみました。

その結果、

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このような形で行くと答えた人が53%に対して、行かない、わからないと答えた人が48%でした。

53%と先ほどの18歳に引き下げられることについて好印象を持っている人の割合と数字としては同じになりましたが、結果を見てみたところ、好印象を抱いている人が必ずしも投票へ行くというわけでは無いようで、むしろ好印象を抱いていない人の約20%が投票へは行くと回答をしていたことが印象的でした。

それでは投票へ行く理由、動機は何なのだろう

 

好印象を抱いていない人の約20%も含め、彼ら投票へ行くと答えた人はどういった動機で投票所へと足を運ぶのでしょうか。

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「自分の一票が大切」、「国民の義務である」とした人たちがそれぞれ22%、18%であったことに対して、「両親や先生に言われる」や「なんとなく」投票所へ行く人たちもそれぞれ18%、17%とハッキリ分かれました。

また、投票へ行かないとした人の多くは「政治がよく分からない」または「時間がない」「ヒマがない」と回答をしていました。

考察

以上のことを踏まえ、気になった箇所について考察をしてみたいと思います。

18歳選挙権の認知度について

選挙権自体の認知度は約7割と、比較的高かったのではないでしょうか。新聞などの活字媒体を読まない学生が増えている中、どのようにして認知を広げていくかは大きな課題であるように感じました。

18歳選挙権に対する印象について

とても良い、良いが53%、悪い、とても悪いが26%という結果になりました。

悪いと回答した人たちの主な理由としては、政治についての判断基準がまだしっかりしておらず適切な判断ができない可能性が高いといった回答が多く見られました。

投票についての動機

「自分の一票が大切」、「国民の義務である」とした人たちがそれぞれ22%、18%であったことに対して、「両親や先生に言われる」や「なんとなく」投票所へ行く人たちもそれぞれ18%、17%ということでしたが、「自分の一票が大切」、「国民の義務である」とした人たちが40%近く居ることは喜ぶべきことである一方で、後者のネガティブな動機付けによる投票は少し勿体ないように感じました。

投票へ行かないとした人たちの多くが「政治についての判断基準がまだしっかりしておらず適切な判断ができない可能性が高い」といったたぐいの回答を寄せていることから、政治的思想に偏らない適切な政治教育や、そもそも根本的なところで情報収集・取捨選択などの方法を教えるITリテラシー教育、また投票についての意義や大切さについて教えるといった教育を公教育において実施するなどが大切であるように感じました。

 

調査概要

調査方法 : インターネットリサーチ
調査地域 : 関東圏
調査対象 : 高校1年生・高校2年生・高校3年生
有効回答数 : 男女合計200サンプル
実施機関 : 株式会社GNEX

次回予告

次週のこの時間では、「18歳選挙権を考える。2. それではどのようにすれば投票率は上がるのか?」と題して、アンケート結果から見えてきた今の公教育における問題点や、選挙/投票制度自体の問題点などについて考察をしていきたいと思います。

三上洋一郎

三上洋一郎

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株式会社GNEX代表取締役 当学園の理事長も勤めております。