OneDriveの容量無制限廃止理由と、求められるユーザ倫理

2015年11月6日

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Microsoft社が提供しているオンラインストレージサービスの「OneDrive」では2014年の10月末以降、Office 365 Home,Personal若しくはUniversityを利用しているユーザを対象に、他の多くのサービスでは設定されているストレージ容量の制限を撤廃し、容量無制限でサービスの利用が可能となっていました。しかし、同社の発表によると多数のユーザが利用する容量の約1万4000倍ものデータにあたる、75TBもの容量を利用する少数のユーザがおり、OneDriveの大多数のユーザへ付加価値の高いサービスと高いコラボレーションエクスペリエンスを提供するために容量無制限のサービスを廃止するということです。

OneDrive storage plans change in pursuit of productivity and collaboration

今後のストレージ容量の上限は、従来無制限だったユーザは1TBになります。また、従来の有料プランで190円100GBや380円200GBのサービスを利用していたユーザはそれぞれ一律1.99ドルで50GBのサービスへと変更となります。更に、2014年7月から提供されていた15GBの無料プランについては無料で使える容量が5GBに減少する模様です。

ユーザ倫理とサービスベンダーの提供価値

ここで大変興味深いのが容量無制限の廃止理由である、一般ユーザの1万4000倍の75TBを利用するユーザについてです。昨今、Bitcasaなどの有料で容量無制限のオンラインストレージを提供していたサービスが軒並みサービスを終了している原因に同種のユーザが居ることは明らかで、事実一部のユーザによりテレビなどの録画データを大量にアップロードされた結果、同社もサービスを終了しています。(公式には一部のユーザを除き需要が少なかった。とされています。)

こうしたサービスベンダー側の善意を悪用したユーザは増え続けており、結果として大多数のユーザの利便性を損ないサービス全体としてのユーザ体験を悪化させています。
サービスベンダー側もこういった一部の悪意を持つ(無自覚的な悪意を含め)ユーザを折り込み、サービス設計を求められる時代と切り捨てればそれまでではありますが、通常利用では数百GBから数TB程度しか使われないと一般的にも想定されるサービスに対して、一部のユーザが数十TB~数百TBを突っ込むというのは想定こそされどコスト的にも提供価値的にも対策をできないと考えられます。
そうした結果として、こういったサービス終了という結果を招くこととなり、正直に利用をしているまっとうな大多数のユーザの利便性を損なう結果となります。

多くの便利なサービスが世の中に出回る中、そのサービス設計の穴をかいくぐり悪用しようとするのではなく、例えばこの手のストレージサービスのリソースは利用ユーザの共有財産であると認識し、適切な倫理観を持ちながらサービスを利用することが求められます。

三上洋一郎

三上洋一郎

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株式会社GNEX代表取締役 当学園の理事長も勤めております。